概要
| ミツバチが好んで蜜を集める樹木や草花は「蜜源植物」といわれています。宮古市は広葉樹天然林の分布が広く、早池峰山麓や閉伊川流域に蜜源樹木が多数分布していました。近年、スギ・アカマツ等の針葉樹への林種転換によって天然林が次第に減少し、蜜源樹木も伐採されて少なくなってきました。 |
重要視される蜜源樹種は、トチノキ(Aesculuschinensis)をはじめとし、ハリギリ、シナノキ、オオバボダイジュ、各種カエデ類やクリ等ですが、この中でも特に蜜の評価の高いのはトチノキであり大切な木です。
このため宮古市では「平津戸養蜂トチノキ分収林組合(組合長:大峠長治、分収林面積:2.3ha、植裁本数:4,600本)」が先駆的にトチノキ林を育成しており、木の博物館ではこの植栽地と周辺天然林を「蜜源の森」として、森林管理署と「遊々の森協定」を結び、蜜源林の体験学習の場として設定しています。
蜜源を求めるミツバチの行動半径は5kmを超え、そして樹齢百年以上の一本のトチノキからはひと春に24kgの蜜が収穫されるといわれています。
トチノキ(Aesculus Lurbinata)
トチノキは蜜源の王座を占める樹種です。深山の渓流沿いの肥沃地に生育し、5月中旬に開葉し、6月中旬に花が咲きます。
シナノキ(Tilia japonica)
シナノキは土壌の肥えた湿気の高い川沿いや斜面に生え、7月下旬から8月にかけて花が咲きます。
ハリギリ(センノキ)(Kalopanax pietus)
ハリギリはどこの山にも自生し、7月下旬から8月にかけて花が咲きます。
クリ(Castamea crenata)
クリは開花期が長く1ヶ月以上続く場合があります。
各種カエデ類(Acer sp.)
イタヤカエデは4月から5月に花が咲きます。