東経142度04分21秒の『本州最東端の地』重茂半島 トドヶ崎には、明治35年(1902)3月に建てられたトドケ埼灯台があります。現在の灯台は、太平洋戦争の終戦まぎわに被災し昭和25年(1950)6月に復旧されたもので、高さが33.72メートルあります。
トドヶ崎から望む太平洋は、さえぎるものが何もなく果てしなくつづく青い海。水平線がはるかかなたに見え、地球が丸いのを実感できます。その雄大さにはいつ訪れても感動!夜明けには東の海から昇ってくる朝日と真っ先に出合えます。
昭和32年に発表された映画「喜びも悲しみも幾歳月(木下恵介監督)」は、戦前・戦後を通じ永きに渡りトドケ埼灯台で過ごした灯台守の妻である田中キヨさんの手記をもとに製作されました。
灯台には平成8年3月まで航路標識事務所の職員が常駐していましたが、平成8年4月からは無人化されています。
本州最東端の碑
映画「喜びも悲しみも幾歳月(木下恵介監督)」のもとになった、手記の作者である田中キヨさんの筆です。 (灯台南側の岩場に建っています。)
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灯台に縁のある映画『喜びも悲しみも幾歳月』
1957年に発表された映画『喜びも悲しみも幾歳月』(木下恵介監督)。「おいら岬の灯台守は」で始まる軽快な主題歌が耳に残ってる人も多いはずです。新婚の灯台守夫婦が、北海道から九州の離れ小島まで、日本中の灯台を転々としながら、夫婦の絆を強めていくという物語。昭和32年までの、四半世紀を描くというストーリーです。
この映画は、実際の灯台守の妻であった田中キヨさんという方の手記をもとにつくられたもの。田中さん夫婦はトドケ埼灯台で7年間過ごしており、手記にも宮古にいた時のエピソードが数多く書かれていました。トドヶ崎には高さ30メートルの断崖の上にキヨさんの記念碑が建てられています。
映画では、キヨさんにあたる有沢きよ子役を高峰秀子が、ご主人の績さんにあたる有沢四郎役を佐田啓二が演じており、まさに大スターの共演。残念ながら映画の中にトドケ埼灯台は登場しませんが、映画では石狩灯台が舞台になっている出産時のエピソードなどは、実際にはトドヶ崎にいた時のものだったようです。
映画を見ると、灯台に職員が常駐していたころのさまざまな苦労や、職員が「灯を守る」ことにかけた思いの深さが伝わってきて、今は無人のトドケ埼灯台を見る目も変わるかもしれません。
周辺のゴツゴツした岩場を造る黒っぽい岩石は、1億3千万年前頃(中生代白亜紀)に広く北上山地で起こった火山活動の産物です。
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基本情報
所在地
宮古市重茂第9地割大平
宮古市マップはこちら
交通案内
JR宮古駅から車で約60分(約30km)で姉吉キャンプ場
トドヶ崎は姉吉キャンプ場から徒歩約60分(車でトドヶ崎までは行けません)
JR宮古駅からバス(重茂石浜・川代行)で75分
バス停姉吉下車徒歩約80分(バスの本数は少ないです)
駐車場
乗用車50台(姉吉キャンプ場)
施設
東屋休憩所
トイレ
遊歩道情報
| 【本州最東端を訪ねるみち】
- 森林浴コース
姉吉キャンプ場→トドケ埼灯台→姉吉キャンプ場 所要時間 約3時間(往復) 約8km
- 健脚コース
与奈→種刺海岸→トドケ埼灯台→姉吉キャンプ場 所要時間 約4時間(※片道の時間) 約11km
<注意>
- 森林浴コースでは、一部崩れている箇所がありますので、通行の際はご注意ください。
- 健脚コースの途中には車道に抜けられる道はありません。
- 姉吉キャンプ場近くの自然歩道が一部崩れていますので、通行の際はご注意ください。
- 車の場合は、到着地点にも車がないと往復歩かなければなりません。
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