農地転用について
農地の転用には許可が必要です
農地転用許可制度は、優良農地の確保と計画的な土地利用の推進を目的としています。
平成21年12月15日施行の改正農地法により、農地転用規制が強化されました。
農地転用とは?
農地転用とは、農地を農地でなくすこと、すなわち農地に区画形質の変更を加えて住宅用地や工場用地、道路、山林などの用地に転換することをいいます。
一時的な農地転用は?
農地を一時的な資材置き場、作業員仮宿舎、砂利採取場などとして利用する場合も転用になり、許可が必要です。
許可なく転用したら?
無断転用には厳しい罰則
許可を受けないで農地転用をした場合や、転用許可に係る事業計画どおりに転用していない場合は、農地法に違反することとなり、国または都道府県知事から工事の中止や原状回復命令がなされる場合があります。
また、以下のような場合には、国または都道府県知事自ら原状回復等の措置を講ずることがあります。
- 原状回復等の命令期日までに措置を講ずる見込みがない
- 違反転用者を確知できない
- 緊急に原状回復措置を講ずる必要がある
この場合の費用は、原則として、違反転用者から徴収することになります(農地法第51条)。
違反転用や原状回復命令違反については、以下の通りです。(農地法第64条、67条)
- 個人の場合:3年以下の懲役または300万円以下の罰金
- 法人の場合:1億円以下の罰金(法93条)
許可を受けないで、転用を目的とした売買、貸借等を行った場合は、その所有権移転、賃借権設定等の効力が生じません(農地法第5条第3項)。
相談は農業委員会に
農地転用の許可申請受付は、全国の市町村にある農業委員会で行っています。(4haを超える農地転用は都道府県)
農地転用に関する相談や苦情については、国(農林水産省、地方農政局等)に相談窓口が開設されており、都道府県(農地・農振担当部局)と農業委員会でも相談体制をとっています。
転用についての手続きや疑問は、まず農業委員会に相談してください。
農業委員が農地パトロール
農業委員会組織では、毎年「農地パトロール月間」を設定し、農業委員が総出で無断転用や耕作放棄の防止に努めております。
また、毎月担当地区のパトロールも行っております。
転用許可の判断基準
農地法第4条第2項および第5条第2項は、農地転用許可基準の規定となっています。
許可基準は、以下のようにに大別されます。
- 立地基準:営農条件および周辺の市街地化の状況から見て区分し、許可の可否を判断する基準。
- 一般基準:農地転用の確実性や周辺農地等への被害の防除措置の妥当性などを審査する基準。
(1) 立地基準
農地区分 | 営農条件 | 許可の方針 |
---|---|---|
農用地区域内農地 | 市町村が定める農業振興地域整備計画において農用地区域とされた区域内の農地 | 原則不許可 |
甲種農地 | 市街化調整区域内の土地改良事業等の対象となった農地(8年以内)等特に良好な営農条件を備えてい農地 | 原則不許可 (土地収用法第26条の告示に係る事業の場合等は許可) |
第1種農地 | 10ヘクタール以上の規模の一団の農地、土地改良事業等の対象となった農地等良好な営農条件を備えている農地 | 原則不許可 (土地収用法対象事業の用に供する場合等は許可) |
第2種農地 | 鉄道の駅が500メートル以内にある等、市街地化が見込まれる農地又は生産性の低い小集団の農地 | 周辺の他の土地に立地することができない場合等は許可 |
第3種農地 | 鉄道の駅が300メートル以内にある等の市街地区域または市街地化の傾向が著しい区域にある農地 | 原則許可 |
(2) 一般基準
以下の場合、許可しないこととなっています。
- 農地を転用して申請に係る用途に供することが確実と認められない場合。
- (ア)申請者に転用行為を行うのに必要な資力および信用があると認められないこと
- (イ)許可を受けた後、遅滞なく、申請に係る農地を申請に係る用途に供する見込みがないこと
など
- 農地の転用が周辺の農地に係る営農条件に支障を及ぼすおそれがある場合。
- 仮設工作物の設置その他の一時的な利用に供するため農地を転用する場合には、利用に供された後、速やかに農地として利用できる状態に回復されることが確実と認められないもの。
転用の手続き
農地法 | 許可が必要な場合 | 許可権者 | 許可不要の場合 |
---|---|---|---|
【1】 第4条 |
農家が自分の所有する農地を転用する場合 |
|
|
【2】 第5条 |
事業者などが農地を買ったり借りたりして転用する場合 | 同上 | 同上 |
- 注釈1 都道府県においては、農地転用許可事務等を市町村に委譲している場合があります。宮古市は、委譲されていません。
- 注釈2 平成21年12月15日の改正農地法施行により、公共施設(学校、病院、庁舎等)も農地転用許可の対象に含め、許可権者である都道府県知事等と法定協議を行うようになりました。
また、これに伴い、法定協議の対象となる施設に準じ、市町村が公共施設を設置するために行う農地転用も、許可が必要になりました。
申請に必要な書類など
許可申請様式
クリックすると岩手県の様式集が開きます。
申請内容の別 | 申請書様式 |
---|---|
農地を転用するため許可を受けようとする場合 | 農地法第4条の規定による許可申請書(様式第33号ア) (4ヘクタールを超えるものにあっては、様式第33号エ) |
転用の目的で農地等について権利を移転又は設定するため許可を受けようとする場合 | 農地法第5条の規定による許可申請書(様式第34号ア) (4ヘクタールを超えるものにあっては、様式第34号エ) |
許可申請
許可を申請する者は、法第4条の場合には農地を転用する者とし、法第5条の場合には転用目的で農地等の権利を設定し、又は移転しようとする者の連署とする。
提出書類
クリックするとPDFが開きます。
申請書類の提出期日等
宮古市農業委員会では、毎月10日までに提出された申請をその月の総会に諮ります。翌月の25日前後に県から指令書等(許可書)の送付があります。
他の法令の許可が必要なことがあります
農地を転用して住宅や工場等を建設する場合、農地法以外にも農振法や都市計画法等の他法令によって建設等が規制される場合があります。
この場合は、他法令による許認可等が得られる見通しがない限り農地転用の許可は行われません。
(1)農振法の農用地区域内で農地を転用する場合
農用地区域は、農振法(農業振興地域の整備に関する法律)に基づき市町村が都道府県知事に協議し、今後長期にわたり農業上の利用を確保すべき土地の区域として農業振興地域整備計画に定めているもので、農業公共投資はこの農用地区域内に集中して実施することとなっています。
このため、農用地区域内の農地転用は原則として許可されないこととされています。
(2)都市計画法の開発許可が必要な農地転用を行う場合
無秩序な市街地の形成を防止する観点から都市計画法の開発許可が必要な開発行為(宅地造成等)を行おうとする場合には、同法に基づき都道府県知事の許可が必要とされています。特に市街化調整区域は、市街化を抑制する区域との観点から、農家住宅の建設等の限られた開発行為以外は認められません。
なお、都市計画法の開発許可と農地法の転用許可は、両制度間の整合を図るため同時に行うようにされています。
お問い合わせ
農業委員会事務局
電話: 0193-68-9125ファクス: 0193-63-9116
この記事に関するお問い合わせ先
農業委員会事務局
〒027-8501
岩手県宮古市宮町一丁目1-30
電話番号:0193‐62‐2111
更新日:2024年12月23日