木の博物館/分館6号 古代の森

更新日:2024年12月23日

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概要

濃淡様々な緑の木々の中のアカエゾマツの写真

アカエゾマツ(Picea Glehnii)はマツ科トウヒ属の針葉樹で、北海道では山地帯から亜高山にかけて広く分布します。常緑高木、樹皮赤褐色、1年生枝には褐色密毛。生育環境は北海道では、蛇紋岩地域、湿地、火山地域、山火事跡地、土石流地、崩壊斜面などで純林の形成がみられています。早池峰山では1948年アイオン台風によって発生した土石流跡地で生育が確かめられ、国の特別天然記念物に指定されました。アカエゾマツは氷河時代に北海道から南下し、本州にも生育していたことが、花粉分析や化石で知られています。本州では氷期以後の気候温暖化、多雪化のなかで生育ができなくなり、早池峰山に小集団を残し、消滅したものと推定されています。早池峰山のアカエゾマツの森は、氷河期当時を知る上で貴重です。アイオン台風によって発生した土石流地と非土石流地のアカエゾマツの分布状況はグラフに示しています。

分布状況

土石流地と非土石流地のアカエゾマツの分布状況のグラフ

非土石流地

林床には直径2〜3メートルから数メートルの巨岩累積地の中に生育がみられます。10メートル方形区で調査の結果、高木のコメツガ13本、ヒバ12本、キタゴヨウ4本、アカエゾマツ3本、(胸高直径26〜48センチメートル、樹高11〜16メートル)がみられた。林床にはヒバの稚樹、低木が密生し林内の歩行が困難です。

土石流地

土石流地には高木がみられず低木のコメツガ11本、ヒバ4本、キタゴヨウ2本の中にアカエゾマツ45本が認められた。アカエゾマツは成長が早いため樹高が高く、このまま推移すればアカエゾマツ林が形成されるとみられます。なお、この場所は国指定の「早池峰環境保全地域」に含まれ、展望地より観察することになっています。

見学コース

分館6号古代の森見学コースの地図

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