木の博物館/分館9号 大樹の森

更新日:2024年12月23日

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概要

大樹の森は林業圏をむすぶ緑資源幹線林道(横沢・荒川線)、国道106号線鈴久名から横沢冷泉を経てトンネルを過ぎ約14キロメートルの地点、県道25号線紫波・江繋線のタイマグラから約6.2キロメートル地点、標高790メートルから1,030メートル周辺に残されたブナ・ミズナラ等の極相林の森(面積8.6ヘクタール)です。

森のようす

森には現在、大径木(胸高直径50センチメートル以上)のブナ、ミズラナ、シナノキ、トチノキ、カツラ等12種、264本(No.番号付)が見られ、樹齢は80年〜180年以上と推定されます。大径木の樹種の本数は、ブナが最も多く115本(43.6%)、次いでミズナラ89本(33.6%)、トチノキ14本(5.3%)、他の樹種は9本(3.4%)〜1本(0.4%)の範囲にあります。樹種別の平均胸高直径はシナノキ103.5センチメートル(最大165センチメートル)で最も太く、ブナ70.97センチメートル(最大120センチメートル)、ミズナラ91.5センチメートル(最大100センチメートル)であって、直径100センチメートル以上の巨木は3樹種内に40本(15.2%)を占めています。全体の平均樹高は13.1メートル(8メートル〜28メートル)です。

今後、森はどう変わるか

調査区(20メートル方形区)、No.1ブナ、No.2シナノキ、No.3ブナ・シナノキ各区内の胸高直径6センチメートル以上の樹種について調べた結果、No.1ブナ区、No.2シナノキ区は成立本数63〜75本(5〜7樹種)、ブナの割合は81〜95%で両区とも多いです。No.3ブナ・シナノキ区は総本数21本(3樹種)と少なく、ブナ16本(76%)で占められています。各区とも全体にブナが多く、後継を担うと思われる胸高直径20センチメートル〜50センチメートルのものはNo.1区3本(5%)、No.2区7本(9%)、No.3区4本(19%)にあって現在の大径木の成立割合と同じ傾向が見られます。これらのことから今後はブナが主体の樹種構成にかわっていくものと推察されます。

左:大樹の森の位置図 右:対象区域の樹種別生育状況の表

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