木の博物館/分館12号 キノコの森
概要

キノコの森は、水源の森と育林の森の間に隣接して設定されています。キノコとは、学問的に「子実体」という繁殖器官のことで、目に見える大きさのものをいいます。生物界は「動物界」「植物界」「菌界」の3界に分けられています。これらは自然生態系の中で、動物は消費者、植物は生産者、菌類は還元者(分解者)としての役割を担っています。植物が作ったおびただしい物質と遺体は、動物によって消費されますが、同時に菌類も遺体を分解し無機物として土壌に還元しています。このように生態系と物質循環の中で重要な働きをしています。キノコは四季折々に違った顔ぶれで現われます。マイタケやナラタケなどの美味なキノコがたくさん発生しますが、一方で、テングタケ科や他科の猛毒なキノコも混生していますので、十分注意して採集してください。自信のないキノコは絶対に食べないようにしましょう。

下表のようにキノコの発生種類は、夏と秋では明らかに違います。8月21日では広葉樹林内で20種、9月22日では52種が採られ、秋は倍以上発生したことになり、一段と種類が増えることが分かります。これは一定期間低温が持続するとキノコ原基の形成が起こるからです。近年では、今まで食用として人気のあったスギヒラタケで中毒死する事故がありました。くれぐれも食べないように注意してください。成分が変質したのか体調に関係するのか今のところ原因不明です。

さあ、やっと巡り会えたキノコに感動しつつ、さまざまな形態や生態をじっくり観察してください。とくに目をこらして観察して欲しいのは、バカマツタケが見つかる可能性があるからです。でもここではマツタケは発生しません。何故ならマツタケ菌と共生するアカマツ林がないからです。

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更新日:2024年12月23日