木の博物館/分館14号 ヒバの森

更新日:2024年12月23日

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概要

ヒバの林があるエリアとヒバの林の近くの遊歩道と林のそばを流れる薬師川が載った地図のイラストの画像

ヒバは地方名、俗名など全てを含めると、50以上の違った名前で呼ばれています。この地方ではヒバと呼ばれていますが、ヒノキアスナロ(Thujopsisdolabrata var. hondai)が正式の和名です。
このヒバ林は、明治以前に南部藩直轄の御囲い山として伐採を厳しく禁じ、保護されてきた天然林で、老木の中には林齢400年を超えるものもあります。早池峰山遺産の森と呼びたいような森林です。
ヒバは九州から北海道まで幅広く分布していますが、まとまって広い面積を占めているのは青森県の下北半島と津軽半島の国有林です。ここ早池峰山のヒバ林もヒバの美林として有名です。
ヒバは樹高が20〜30メートル、胸高直径が60〜80センチメートルに達しますが、特に大きなものでは樹高40メートル、直径が1メートルに及ぶものもあります。

森林浴を楽しみながらヒバの森に触れてみよう

上に向かってまっすぐ伸びる背の高い木々を下から写した写真

薬師川渓谷を流れる水の音、野鳥のさえずり、木々の緑、新鮮な空気と静けさ、さわやかな土の感触、目に触れる山野草、ヒバが発散する独特の香気が、貴方のストレスを解消し安らぎをもたらします。
(ヒバの木の年輪が語るもの)
切り株の年輪は樹齢を知る目安となるばかりでなく、経過してきた過去の気候の温暖や寒冷の状態を類推したり、歴史上の事柄と重ね合わせて過去に思いを寄せることも出来ます。
(ヒバの多様な世代交代)
林内では、自然に落下したヒバの種子が芽を出し、成長を始めている様子の他に、風で倒れた老木や切り株の上で若木が育っているダイナミックな世代交代の様子が見られます。
(伏条更新)
ヒバは伏条更新と呼ぶ特殊な繁殖を行っています。ヒバは雪の重みで枝が押し下げられ、地面に密着するとそこから根が出て、その根は次第に土の中に伸びていき、新しい苗がでて、成長をあらたに始めます。ヒバのたくましい繁殖力を示しています。伏条で繁殖した子供苗は、親と100%同じ遺伝子を引き継ぐ親の分身であるクローンです。

ヒバの材質

ヒバはヒノキとともに日本最高の建築材料です。ヒバ材の中にはヒノキチオールと呼ぶ精油分を含んでいて素晴らしい芳香を放ち、腐りにくくシロアリを寄せつけません。

雪の重みで押し下げられ地面に密着したヒバの枝から、あらたに根が出て新しい苗が育ち成長を始めるヒバの伏条更新の仕組みを描き表したイラスト

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