遺跡は宮古の文化遺産
遺跡は私たちの祖先が残してくれた大切な文化財です。
遺跡などの文化財は、宮古の歴史や文化を知るために、欠くことのできないものです。私たちはこのような文化遺産を、あらためて見直し、より良いかたちで保存して、後世に引き継いでいきたいものです。
Q 文化財には、どのようなものがありますか。
A 文化財は、長い歴史の中で地域の人々の手によって生み出され、守り伝えられてきたものです。 つまり、文化財はその地方の歴史や文化の「履歴書」のようなものなのです。これには、お寺の仏像や古文書などの有形文化財、神楽や民具などの民俗文化財、伝統的な工芸や技術などの無形文化財があり、古墳や城跡、庭園などは記念物といわれています。 遺跡は、土の中に埋もれているという特別な状態の文化財なので「埋蔵文化財」という別の分類で呼ばれています。
Q 土の中に埋もれている文化財=遺跡(埋蔵文化財)には、どんなものがありますか。
A 遺跡にもいろいろな種類や、様々な時代のものがあります。具体的には、崎山貝塚や磯鶏蝦夷森貝塚などの貝塚遺跡、八木沢の島田II遺跡のように、たくさんの住居跡が見つかる集落遺跡、鉄の生産や加工をしていた生産遺跡、千徳城や磯鶏館山遺跡などの城館遺跡といったものがあります。 また、時代も数千年前の縄文時代から奈良・平安時代、中世や江戸時代、そして明治時代の遺跡もあり、各時代の様子を知ることができます。
Q 宮古市には、いくつの遺跡がありますか。
A 現在知られている遺跡は、市内に663箇所あります。下閉伊管内では、遺跡数は最多となっています。
Q どうして遺跡があることがわかるのですか。
A 遺跡には、昔の人が使った土器や石器などの遺物が埋まっています。畑などで土を掘り起こすと、このような遺物が出てきます。 地表に出てきた遺物によって、遺跡だということがわかります。ですから、知られていない遺跡もまだまだあると思われます。
Q 遺跡はどうして大切なのですか。
A 遺跡には、数千年という長い歴史が秘められています。皆さんの足元に埋もれている遺跡には、宮古人の生活の歩みがしっかりと残されています。 一度遺跡がなくなってしまうと、そこに残された私たちの歴史も失われてしまい、それを二度と取り戻すことはできないのです。
・小川 忠博氏撮影
巻貝型土器(まきがいがたどき)1 平成6年度近内中村遺跡から出土。全長23.5cm。本物の巻き貝を模して作成。
今までに全国で報告されている3例と異なり左巻きで無彩色。
祭祀儀礼に用いられたと考えられています。