Q 古い時代の生活や歴史を調べることは、どういう意味があるのですか。
A 私たちの生活や文化は、これまでの時代の積み重ねの上に成り立っています。
過去をたどれば、自分のおじいさんの時代があり、五代さかのぼれば江戸時代の終わり頃となり、二十代さかのぼれば中世の時代となります。
つまり、現在の私たちの生活は、祖先が歩んできた歴史の結果の中にあるといえます。ここに港があるのも、そこに道路や橋があるのも、すべて先人の歴史の結果なのです。
これから新たな時代を創ろうとしている私たちにとって、歴史を振り返り、これに学ぶことは、次の世代のより良い暮らしのためにも大切なことなのです。
Q 遺跡を保存するために、どのようなことをしていますか。
A 遺跡の最も良い保存方法は、現状のまま残して、次の世代に伝えていくことです。
しかし、道路や宅地の造成開発工事を進めるためには、すべての遺跡を現状のまま残すことは困難です。
教育委員会では、遺跡をできるだけそのままの状態で残すために、開発事業と遺跡保存の調整を行っています。
宅地の造成など土地の現状を変える工事を計画する際には、まず最初にそこが遺跡であるかどうかについて、教育委員会に問い合わせて下さい。
お問い合わせの際には、工事の場所や内容を書いた図面をお持ち下さい。教育委員会では、照会を受けた場所について、現地の確認を行い、遺跡の所在や取り扱いについて回答いたします。
その土地が遺跡である場合には、事前協議を行い、保存のための調整を行います。
その結果、やむを得ず現状保存ができない場合には発掘調査を行い、その遺跡の内容を詳細に記録します。
調査の結果は、遺跡の現状保存に代わるものとして、報告書にまとめられ、刊行されています。
Q 遺跡は、どのように活用されているのですか。
A 遺跡のなかでも、歴史的・学術的に価値の高いものは、国や地方公共団体が「史跡」として指定し、保存・活用が図られます。
市内では、崎山貝塚が平成8年に国の史跡に指定され、遺跡全体を保存することとなり、史跡公園として整備を行ってきました。
平成28年には国指定史跡の崎山貝塚を紹介するガイダンス施設「崎山貝塚縄文の森ミュージアム」が開館し、公開・活用が進められています。
崎山貝塚縄文の森ミュージアムでは、崎山貝塚や市内の遺跡を紹介する「常設展示」と、遺跡に限らず、歴史・文化・芸術・風習などの様々なテーマを取り上げた「企画展示」を開催し、地域の魅力を紹介しています。
展示のみにならず、縄文土器づくりや火おこしなどの体験を通して、縄文の生活を感じてもらう事業も行っています。
広報みやこで連載している「ふるさと博物館」では、発掘された資料や、発掘調査・分布調査の速報などを紹介しています。
発掘された遺物については、ふるさと博物館企画展や遺跡報告会で展示し、広報の「新ふるさと博物館」でも紹介しています。